朗読のススメ
2020-04-09



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声優、永井一郎氏(パッと浮かぶのは錯乱坊)の本。冒頭、世情を斬る一節が現れ、少し驚くが、本編は、氏自身の、および後進の指導の経験を元に得た知見を、さまざまな逸話(作品では、ガンダム、ナウシカ、サザエさんなど。人では、声優や役者仲間、歌い手など)を交えつつ、堅苦しくならない感じで披瀝する。

・表現するということは行動です。(P.173)
・感情なんて演じられるものではありません。感情というものは、あなたの行動が何かとぶつかったとき、自然と生まれてくるものです。(P.176)

後者は、感情を意識と入れ替えてもいいかもしれない。機械に意識を持たせる研究では、ロボットの身体を持たせることでブレークスルーを目指す方向がある。身体の動きとこころの動きは、お互いに関連し合う。表現者は、自ずとそのことに気づいている。幅広い学びが求められる所以。

・アテレコ台本やアニメ台本には句読点がないのがふつうです。(P.171)

手許に、ヨコハマ買い出し紀行や攻殻機動隊の円盤購入時の特典台本がある。見てみると、句読点は、少ないながらもあるようだけど。特典台本は、手が入っているのかしら。

・個性的ということは結果論であって、狙うものではないのです。(P.196)

先の行動の議論とつながる。演じる対象のいる場をイメージし、そこで求められる行動をとるとき、それがどう現れるか。それは、演者のイメージ力、それを支える学びや経験に裏打ちされる。そこに個性が立ち現れるのだと。

これから、月の音色(音泉の朗読番組)などの聴き方が変わるかもしれない。

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