想定外 (原題:Obliquity)
2015-07-11



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英国の経済学者、それともジャーナリストといったほうがいいのか、John Kayの2010年の本。The Kay Reviewという、英国議会の委嘱によるレポートが名高い。

※The Kay Review
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原題は、Obliquity。手元の英和辞典によると、not directであること。本書にもよく出てくる「回り道」のほうが近い。構成のしっかりした論文と言うよりは、折々に書き留めた小文をまとめたような体裁。

いろいろなことを述べているが、「世の中は複雑であり、人びとの考え方は多様である、しかも変化し続けている」、したがって、「計画を立て、その通りに物事が進むことはまずない」、ということに尽きるだろうか。あたりまえと言えばあたりまえだが、それを理解しないでなされた多くの事柄を示し、私たちがとらわれやすいことを教えてくれる。

日本については、第二次大戦でのシンガポール侵攻作戦が何度も出てくる。英国人にとって、第二次大戦と日本から連想されることの第一なのか。海外に旅したり、英会話教室にいくと、こんな話になることも多い。その割には、よく知らないことを、ここでも思い知らされた。

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