数学の視点
2015-01-20



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目次を見ていると、方程式に素因数分解に角の三等分問題にベクトルと、あれこれ四方山話を詰め込んだのかなと思わせておいて、結局、環や体や群の優れた導入の話になっているという。

数学は高校までで、大学の教養でちょっと数論をかじったくらい。その後、理工系向けの大学初年度向けのテキストなどを試したものの、道具として身につけることを優先した記述は、どうしてもしっくりこない。そういう立場で本書を読むと、古代からの歴史の中で、問題を解くために、時に数の性質を突き詰め、時に作図を突き詰め、云々と、様々な道具立てを編み出してきた思考の経緯がすっと入ってきて、これまでの消化不良が解消される。最後のガロア理論のあたりは、新しい消化不良に残ってしまったけど。

まえがきにあるように、数学好きの高卒程度の下地があれば、読み進められる。記号の解説もしっかり(ちょっとばらつきはあるけど)。誤植はいくつかあるようだが、自己解決できる範囲。とはいえ、代数やベクトル解析のテキスト、数学入門辞典(岩波)のお世話になった。手元に使い慣れた参考書類はあったほうがいい。

あとで手元の本を探すと、岩波口座 現代数学への入門のシリーズの代数入門1,2が同じ上野健爾氏の著作でカバーする範囲も似ている。より専門的にはこちら。
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