書籍と雑誌の電子化の日々 〜実践
2013-12-16


やってみて改めて気づくのは、本、というか紙にはいろいろな種類があること。大きさ、厚さ、表面のすべすべざらざら感、劣化の度合い、等々。したがって、全てが同じ調子でスキャンできるわけではない。機械の性能は向上しているが、調整がいる。

スキャナの方も、処理経過によって状態が少しずつ変わっていく。給紙部位(分離パッドと給紙ローラー)の摩耗、紙粉の付き具合、読み取り部位の汚れ、等々。このあたりも見極めて、調整しながら作業を進める。


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裁断。
裁断機を使えば、15mm位は一度に断ち切ることができるが、本によっては、押しつけられたときにずれが生じ、上側は端まで5mm位で調整したのに、下側は10mm以上になってしまった、ということが起こる。背表紙が丸みのある製本では、表紙に近いところと中央部ではずれが生じる。そのあたりを見極めて、裁断の単位を調整する。背表紙が丸みのある本は、両表紙側と中央部の3つ以上に分割すると具合がいい。背表紙が平たいものでも、厚くしすぎない。図では、右が平らな背表紙の例。それでも少しずれる。左は、丸い背表紙の表紙側の例。ずれ幅が大きい。

分割するときは、製本する単位の切れ目にカッターを入れる。大きな紙を4枚(8ページ)や8枚(16ページ)単位で折って製本することが多いようなので、その区切りを見つけるとばらばらになりにくい。

苦手な紙。
・コミック雑誌の厚手でざらざらした紙。摩擦が大きいので重送(複数枚が重なって取り込まれる)が発生しやすい。給紙部位の摩耗も多くなるよう。
・非常に薄手の紙。プロセッサの仕様書が何冊かあった。丈夫だが、透けるような紙。厚さ2cm位なのに500ページ以上あるもの。薄すぎて、これも重送しやすい。
・大判で薄くてぺらぺらした紙。取り込みには問題が無いが、送り出したあと、紙が丸まってくしゃくしゃになりやすい。スキャナから排出されたら、すぐに手で取り出す。
・表面に細かい粉が付いている紙。フルカラー印刷の本で数冊あった。スキャナの紙を送る機構が滑って、絵が乱れる。あとで画像を確認し、取り直す。こまめに内部のローラーを掃除する。
・古くて劣化の進んだ紙。茶色く変質し、破れやすくなっているもの。手元にあったものでは、昭和22年発行、美濃部先生の新憲法(現行憲法)の解説書。戦後すぐで紙質が悪いせいもあるのだろう。それほど古くなくても、1980年代のコミックやコミック雑誌は劣化が進んでいた。

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読み取らせ方。

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